建物は大正13年(1924)に元近江ミッションに参加していたパーミリー女史※1の住宅として建てられ、その後、昭和14年頃にヴォーリズ建築事務所の建築部員の柿元氏が継ぎ、一部増改築を加えて長らく個人の住宅として使われておりました。
その後、内部見学の出来なかったこの建物を、ヴォーリズ建築の保存活動をする「一粒の会」副会長であった方が、2015年に旧柿元・パーミリー邸を購入。
『改修後に一般公開するとともに、コミュニティーの場として開放したい』という思いの中、残念ながら実現する事なく急逝。。。
ご遺族から、『建替えでなく、修繕して残していってくれる方に・・・』という思いで建物の引き継ぎ手を募集されている中、ご縁を頂き私どもが建物を取得させて頂きました。
改修前は空き家の期間が長く、建物は老朽化が進み外壁には穴が空き、シロアリによる被害などが多数。
ただ、ヴォーリズ建築の特徴でもあるマントルピースやクリスタルのドアノブなど、室内は築90年越えのオリジナルな部分も多く残っており、気品と優しさを兼ねた美しさが残っておりました。
急逝された前の持ち主の思いと共にこの建物を引き継いでいきたいと願っております。
ここで暮らした人たちの刻んだ歴史と思いと共に、
この建物を一つの痕跡として残していきたい・・・
そんな思いで今回のプロジェクトを立ち上げました。
長くなりましたが、以上が「ヴォーリズ建築 パーミリー邸」の全貌です。
※1パーミリー女史は同志社女子部設立に尽力されたのち、ヴォーリズ夫妻と共に近江兄弟社学園に奉職した女性宣教師である。
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